今日は

rouhou

yoshiisan

yoshii

私は50歳から中国語の学習を始め、足かけ5年近くになります。どこから見ても恥ずかしくない正真正銘の“おっさん”です。シンガポール島内に限ればおっさんの2級合格者は希少種とおもいます。“おっさんの中国語学習”について少し語らせてください。

前世期までは、『史上最年少』が記録としてもてはやされましたが、これからは『史上最年長』が衆目を集める時代ではないかとおもいます。ところで、“おじいさん”と“おじょうさん”、は音声学的には似ていますが、見た感じは全然違いますね。

お嬢さんは高いヒールをはいて軽やかに飛びまわることができますが、おじいさんがそれを真似すると、しこたま骨を折ったりします。(たとえが不適切だったかもしれませんが)語学も同じで、加齢は身体の一部である脳の機能にも大きく影響します。30歳なら10回繰り返せば頭に入ることも、50歳を超えるといきなり一万巻写経になったりします。目はかすみ、耳は遠くなり、気力は失せ、髪も薄くなり、腹もでてきます。

おっさんには誘惑がたくさんあります。酒、ゴルフ、釣り、酒、ダイビング、トレッキング、酒です。とりわけいつも身近にある酒は強敵です(酔った勢いで猛勉強できる人は別です)。

おっさんの中国語学習におけるハンディは頭脳の機能退化だけではありません。見た目の問題があります。おっさんが中国語を話せても、ちっとも格好良くないのです。
GACKT(ガクト)あたりが中国語をしゃべったりすると、観客席から嬌声が上がったりしますが、おっさんが中国語をしゃべっていても、「変なおやじ」という評価しかいただけません(本当にそうなのですが)。手短にいえば、おっさんがなにをやっても、誰も褒めてくれないのです。難しい言葉でいえば、モチベーションが下がりっぱなしという奴です。

さて、このように右を見ても左を見てもハンディだらけというおっさんですが、これを逆手にとり、敢えて、これ以上学習に最適の環境があるでしょうか、と私は言いたいのです。困難を克服する喜びとは、おっさんの中国語学習の為にある言葉だと思います。
若い人なら、さくさくと出来ることでも、おっさんには出来ません。おっさんに出来るのは、愚直に、ただひたすら愚直に繰り返すことです。何度もテキストを読み、何度もCDを聞き、何度も文章を書き、毎日酒を飲みます(関係ないか)。若い人なら、馬鹿らしくてやっていられないような学習を、ひたすら愚直に行います。だって馬鹿ですから。そしていつの日かわずかな進歩があります。若い人が1年で学ぶところを、2年かけて学習します。それを覚えておくためにも毎日の繰り返しが必要です。

中国語は入門から初級でやめてします人が多いと聞きます。それは、この時期成長が自覚できなくなるからだとおもいます。でも、おっさんは成長しないことに慣れていますし、誰にも褒められないことにも慣れていますので、絶望を感じることなく愚直に練習を繰り返します。出来なくても、失敗しても、心配はいりません。だれも見ていません。市井のおっさんには関心を払うほどみんな暇ではありません。何度も何度もひたすら愚直に繰り返す。この方法は効率が悪いのかもしれません。でもおっさんにもできる唯一の学習方法、そして、なんとか2級までたどり着ける方法です。

そんなおっさんも(100年に一度くらいは)めげることもあります。嫌なこと、不運なことが立て続けに5個以上起きると挫けそうになります。勉強をやめてしまおうかな、と思うこともあるのです。そんな時には強い味方がいます。JSUです。おっさんに(おっさんにかぎりませんが)とことん付き合い、励まし、とても聞くに堪えない発音を矯正し、
見るに堪えない作文を添削してくださる先生方がいます。徐老?には毎時間、毎時間大変お世話になりました。また葛学長にはいつもいつも温かい励ましをいただきました。
先生方はおっさんを差別しません。辛抱強く、励まし、指導してくださいます。感謝に堪えません。
おっさんに限らず、生きていくということはそれ自体楽しいことではありません。
何かに挑戦し、頑張り、何かを達成することで喜びが味わえるのだと思います。
ご参考になれば幸いです。

先生からのメッセージ:

吉井さん、合格おめでとうございます!吉井さんのように毎日コツコツ何かを続けられるというのは、そう簡単なことではありません。多くの方が自分の目標にたどり着くまでに挫折したり、やめたりしています。私も今までたくさんのものを諦めたりしてきましたが、吉井さんを見ているとそんな自分が恥ずかしくなります。

毎回素敵な作文を提出して、日常生活でも中国語を極力使おうとする真摯な姿勢が今回の合格に結びついたんだと思います!これからも頑張ってください!

 




感 謝 JSU !

2003年に中国語を始めてから 4 年、試行錯誤しながらも、シンガポールという中国語習得には恵まれた環境をいかして、中国語に触れる機会をできるだけ増やしてきました。

今振り返ってみますと、 JSU (星日学院)で受けたレッスンが私の中国語をぐんと上達させてくれたと実感しています。1年半ほど個人レッスンをお願いした先生は丁先生。経験豊かな、どんなときでも笑顔を絶やさない、目のきらきらした、とてもチャーミングな先生(ちなみに男性!)です。

レッスンで使用するテキストは丁先生と相談しながら、目的に応じて厳選しました。最初は基礎会話の語彙力アップに役立つテキスト、その後はやや難易度の高い読解、続いて北京などで頻繁に使われる慣用句をふんだんに使った教材、さらには商業中国語…と、あえてバラエティに富んだ教材を使いました。どの教材も、一度決めたら迷うことなく徹底的に中身を使いこなす、という私の好きな勉強方法をずっと続けました。

レッスンを有意義なものにするために、私もみっちり予習をしていきますが、それにも増して丁先生はテキストのすみずみまできちんと準備をしてきてくださるので、2時間のレッスンは毎回とても収穫の多いものでした。私も10年近く海外で日本語を教えている経験から、レッスンは、とくに個人レッスンの場合、先生と生徒双方の協力、努力なしには本当に充実した時間を作ることはできないと実感しています。丁先生にはかなりのご負担をおかけしたことと思いますが、先生の多大なる尽力なしには、あれだけ濃厚な内容のレッスンは受けられなかったと確信しています。

今年9月に HSK 9級、そして 11 月の中国語検定準1級に合格しました。今ここで改めまして、丁先生また丁先生にめぐり会わせてくださった JSU の葛校長先生に心から感謝を申し上げたいと思います。 2008 年1月、シンガポールを離れることになりましたが、今後も偉大なる中国語世界に抱かれながら、母国語である日本語世界と調和させ、この2つの世界が少しずつ私の身体の中に沁みこんで自然に溶け合う日がいつか来ることを信じて努力していきたいと思います。

2007年12月21日

吉開 有紀
 
   
先生からのメッセージ:
 

吉開さんは本当に優秀な生徒でした。

いつも授業に来る前にちゃんと予習と復習をしたりしてきましたので、自分はどこがわからないか、新出単語はどう使えばいいかをはっきり分かっています。こうして講義の進めもスムーズにできました。このようなすばらしい成績を取ったのはまったく吉開さん自分自身の努力によるものだと思っています。

これからは北京へ行くという話がありますので、是非向こうでも続けて頑張ってください。もうすでに基礎をちゃんと作っていますから、中国本土でもすぐに自然に溶け合うことができると思います。北京ですばらしい未来を迎えるようにお祈りします!


吉開さんはシンガポールを発つ前に自分の在新生活についての感想を中国語散文の形で記録しました。それをローカルの華語新聞紙「聯合早報」へ出したら、2007年12月24日の「読者来信」コラムで掲載されました。おめでとうございます!

このページを借りまして吉開さんの散文を転載させていただきます。

オリジナル・リンクはこちらへ (「聯合早報」のページ更新によりなくなる可能性があります)
 
題名 さようなら、私のシンガポール
 





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